Dr.ピロシが教える印刷用語集

ワシがDr.ピロシじゃ。

さあ、みんなで印刷用語のお勉強じゃ


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赤字文章などを修正したいと思った時は、修正したいと思った文字や文章に“赤いペン”で二重線を入れ、その横や上の空いているところに正しい文字や文章を書き、修正の指示をするんじゃ。赤字は赤い文字で丁寧に書くことが大事じゃぞ。
網点オフセット印刷では、細かい“網状の点”によって印刷物の色を表現しているんじゃ。この網状の点のことを網点と呼び、写真やカットなどの色の濃淡を、網点の大きさや密度によって表現するのじゃ。さらに、印刷をカラーでする場合は、「C」「M」「Y」「K」の4色の網点を重ねることにより、様々な色を再現できるんじゃよ。
RGBRGBとは、色の表現方法のことじゃ。光の三原色のことじゃな。Rは赤 (Red)、Gは緑 (Green)、Bは青 (Blue)じゃ。主にディスプレイなどでの画像再現にもちいられておる。RGBは加法混合・加法混色と呼ばれ、混ぜ合わせれば混ぜ合わせるほど明るい色へと変化していくのじゃ。今度説明するCMYKとごっちゃにならないように注意が必要じゃ。ちなみに印刷の画像再現にはCMYKをもちいておるの

 

色校正色校正とは、カラー印刷の本番前に写真や広告などの色の出具合を確認するための試し刷りのことじゃ。色校正には、本番と同じ印刷機と同じ紙、インクを用いる『本機校正(本紙校正)』、または本番とは違う形でカラー印刷を行う『簡易校正』の2パターンがあるぞよ。
インクジェットプリンターインクジェットプリンターとは、インクに熱や圧力を加え直接用紙に噴射して紙に定着させる印刷機のことじゃ。みなさまのご家庭にあるプリンターも恐らくインクジェットプリンターじゃあないかの。ちなみにレーザープリンターや、日本新聞印刷にあるオンデマンド印刷機はトナーという粉状のインクを熱と静電気を利用して紙に定着させる印刷方法であるぞ

 

ウエスウエスは工業用の雑巾のことじゃな。工業用の雑巾といっても特にすごい加工がされているものではなく、ほとんどが古着などの布切れやボロ切れじゃ。主に機械油をふき取ることに用いられておるの。日本新聞印刷ではブランケットという印刷機のローラーの、インクや紙粉の掃除の際に大活躍しているんじゃ

 

オフセット印刷オフセット印刷とは、印刷物を版から中間転写体(ゴム)に転写させ、そこから被印刷体(紙)に転写させる印刷方式のことじゃ。日本新聞印刷の新聞輪転機の場合は、輪転機内のローラーを伝ってインキと湿し水が流れ、油と水の反撥を利用して版にインキを乗せ、版からブランケット胴にまかれたブランケットというゴムに印刷体を転写させ、さらにそれを紙に転写するというシステムになっておる。版からブランケットへの転写が“オフ”、ブランケットから紙への転写が“セット”、すなわち“オフセット印刷”じゃな。
オンデマンド印刷オンデマンド=必要に応じて。オンデマンド印刷とは、まさに必要に応じた印刷ができる革新的な印刷スタイルのことじゃ。オフセット印刷と違って、版は必要なくパソコンのデータをそのまま表現でき、インクもトナーを用いることで、レーザープリンター並みに素早い印刷が可能となっておる。さらにバリアブル印刷技術により、はがきの宛名や宝くじの連番のような、一枚一枚違う情報を印刷することもできるのじゃ。日本新聞印刷のオンデマンド印刷機は3階の制作部にあるぞい

 

活版印刷活版印刷とは、凸版式印刷の一種で、活字を組み合わせて作った版=活字組版(活版)を使った印刷方法のことじゃ。活版印刷が始まる前の印刷では、版が木版みたいに1枚の板につくられたものであり、文字の入れ替えが困難じゃった。じゃが活版印刷は、文字の組替えが自由自在で、まさに〈生きた版〉という意味で活版と名づけられたそうじゃ。
活字活字とは、活版印刷に用いる、一文字ずつの凸型の字型のことじゃ。昔は木に彫ってつくっておったのじゃが、現代の活字は、活字鋳造機という機械に鉛を主成分とした合金を流し込んでつくられておるのじゃ。前回説明した活版印刷は、この活字一文字一文字を組み合わせて版をつくり、それを印刷機に取り付けて印刷する印刷技術のことじゃ。新聞印刷においては大量生産に対応するため、まず活字を使って組版を行い、できあがった版を紙型という特殊な紙で型に取り、その紙型に鉛合金を流し込んで鉛版という版をつくり、その鉛版を輪転機に巻いて印刷を行っておったのじゃ。
カラー印刷カラー印刷は「C」シアン(青)、「M」マゼンダ(赤)、「Y」イエロー(黄色)、「K」ブラック(黒⇒厳密に言えばkey plate)を加えた4色のインクを用いて表現する印刷のことじゃ。オフセットでのカラー印刷の場合は4色分の版を用いることになり、4枚の版が必要になるということじゃな。版の画線部は網点状になっており、網点の説明時にもチラッとお知らせしたのじゃが、網点の大きさを変化させることで濃淡を表現し、各色の網点を重ねる(掛け合わせる)ことで色彩を表現しているんじゃよ

 

級数級数とは、文字サイズの単位のことじゃ。「級」は日本独自のサイズで1級=0.25mmと決まっておる。さらに「歯」という単位もあり、歯は文字間や、行間を表す単位じゃ。こちらも1歯=0.25mmと決まっておる。ちなみにマイクロソフトのエクセルやワードなどの文字サイズ「ポイント」は欧米の文字サイズの単位じゃ。1ポイント=約0.35mmじゃ

 

組版組版とは、活字を組んでから版を作るまでの作業および完成した版のことじゃ。要するに原稿の文章(文字)を紙面のカタチにする作業のことじゃな。現在ではパソコンのレイアウトソフトを用いて紙面を作っておるのじゃが、活版印刷の時代は原稿にしたがって活字棚から活字を拾い、それらを文選箱に入れ、集まった活字を文選箱からステッキと呼ばれる組版用の金具に並べて組んでおったのじゃ。さらにステッキがいっぱいになったら組みゲラと呼ばれる箱に移し、それらを同じ要領で組みつづけ、1ページにまとめていたのじゃな。これらは「文選」、そして「植字」と呼ばれる作業で、それこそ1ページを組み上げるのに大変な労力が費やされておったんじゃよ。
グラビア印刷グラビア印刷とは、凹版印刷の一種じゃ。グラビア印刷の最大の特徴は、微細な濃淡表現による写真画像の再現性の高さじゃの。印刷方法じゃが、シリンダと呼ばれる銅メッキが施されたローラーに図柄を彫り込み、そこにインキが入り、印刷体へと転写されるシステムとなっておる。グラビア印刷は食品包装をはじめ、様々な用途で使用する基材に印刷ができるのじゃ

 

見当合わせ見当合わせとは、印刷体を所定の位置に印刷できるように印刷機を調整したり、版の位置を動かして、調整をすることじゃ。オフセット印刷において、見当合わせは非常に重要な作業で、特にカラー印刷の場合は、正しい位置に刷り重なるように見当を合せないと、キレイな色を表現することができないぞよ。
下版下版とは、組みあがった版を「校了」して、印刷の依頼をかけることじゃ。その語源についてじゃが、昔の印刷会社は大体が二階に活版室、一階には印刷室という構造で、版下を二階から一階へおろすという行為から下版と言うようになったんじゃな。
ゲラゲラとは、印刷物の試し刷り(校正するための印刷物)のことじゃ。ゲラ刷りとも言われておるの。ちなみに語源は、活版印刷時代に組版を入れていた容器(galley)からきておる。
原稿原稿とは、印刷するもののもとになる文章のことじゃな。印刷製版に用いる写真や絵画なども原稿のひとつで、それぞれ写真原稿、挿絵原稿などというんじゃよ

 

校正校正とは、印刷物の字句や内容や体裁、色彩の誤りを、印刷をする前に修正することじゃ。正確な紙面を印刷するためには、しっかりと、じっくりと校正を行うことが重要じゃ。ちなみに初校は1回目の校正のことで、再校とは初校に次ぐ2回目のゲラを、初校で修正を行ったゲラと突き合わせ、その修正に間違えがないかをチェックすることじゃ。二校ともいうの。その後は三校、四校と校正を進めて完璧な紙面に仕上げていくんじゃ。
孔版印刷孔版印刷とは、孔版(版材そのものに細かいあなのあいている印刷版)を用いた印刷法のことじゃ。謄写(とうしゃ)版印刷(ガリ版ともいうの)、スクリーン印刷とよばれるものがそうじゃの。版の非画線部を樹脂などで覆い、画線部がメッシュまたは100%開口となっており、インクを擦りつけて転写するんじゃ。ガラスやプラスチック、金属、布など紙以外のものに印刷をする必要がある場合によく利用されておるのじゃ。年賀状印刷などでみなさまが昔よく使っておった『プリントゴッコ』も孔版印刷の一種じゃな。
校了校了とは、校正の作業が全て終わり、印刷の許可が下されることじゃ。校正をしていくうえで校正紙には常に赤字が入るわけじゃが、校了の場合は校正紙上に赤字は何もなく、余白に“校了”と書くんじゃよ。ちなみに赤字があっても印刷会社の責任のもと修正をしてから印刷をしてもらう許可をする際は“責了”と書くんじゃぞ。
コート紙コート紙とは、原紙の表面をコーティングすることで、普通紙より高品質に仕上げることができる用紙のことじゃ。上質コート紙は美術書や雑誌の表紙、ポスターなどに使用され、中質コート紙は雑誌の本文やカラーページ、チラシなどに使用されておるの。
誤植誤植とは、印刷物の文字の誤りのことじゃ。昔は活字の不良などが主な原因じゃったが、最近はコンピューターによる文字化けなどが原因としてあげられておる。日本新聞印刷では紙面に誤植がないか制作と印刷の二段階で確認を行っておるぞ

 

作字作字とは、印刷で必要な字がない場合にパソコンなどで新しく字を作ることじゃ。主に作るのは漢字じゃの。漢和辞典には5万以上の漢字が存在し、パソコンの中にない文字が数多く存在するんじゃよ。ちなみに昔はすでにある活字の一部分を合成したり削ったりして新しい活字を作成しておったのじゃな。
刷版刷版とは、オフセット印刷時に使用する印刷用の版のことじゃ。通常はPS版(Presensitized Plate)というアルミ製の板のことを刷版と呼ぶの。一昔前までは製版されたフィルムをPS版に焼付けておったのじゃが、現在は直接データから版へ書き込み出力をするCTP(Computer To Plate)が主流じゃの。
更紙更紙は新聞に最も使われている非塗工印刷用紙であり、安価で下級印刷用紙とも呼ばれておるが、印刷紙としては十分な性能を備えてるんじゃよ。新聞の他、漫画雑誌にもよく利用されておるの

 

紙粉紙粉とは、紙面に着いてしまう粉末状のごみのことじゃ。製紙段階に用紙表面から剥離されてしまった繊維片や、印刷作業中の断裁をした際に発生する紙の切りくずなどの紙粉が、版面やブランケットなどに付着したりインキ壷に入ってしまい紙面に汚れがで出てしまうことがあるんじゃよ。
湿し水湿し水とは、刷版の非画線部にインキの付着を防ぐため、その部分を湿らせる液体のことじゃ。オフセット印刷の刷版は絵柄を構成する画線部と白紙の部分の非画線部の二つでできており、画線部の方にはインキ(油)が着き、非画線部には湿し水の水膜が張られ、その油と水の反発を利用して印刷をしているんじゃよ。
出張校正出張校正とは、著者・編集者などの発注者が校正刷りのある印刷所へ出向いて校正することじゃ。メールやFAXで校正することも可能じゃが、やはり印刷所に出張校正をした方が、しっかりとゲラを確認できるので、校正でのミスが起こりにくいかもしれんの。
書体書体とは、ある一定のデザインによって統一された文字の集合体のことじゃ。印刷用の書体として明朝体やゴシック体が有名じゃの。新聞の場合、明朝体は細くて“読みやすい”ため、基本的には文章で主に使われており、ゴシック体は太くて“見やすい”ため、見出しやエトキに使われておるの。
白抜き文字白抜き文字とは、文字を入力する際、背景を黒く塗って、文字の中身を白く抜いた文字修飾の一種のことじゃ。文字を白抜きにすることで文字が目立って確認が容易であることから、新聞の見出しに最適なんじゃよ。
新聞新聞とは、ニュース(事故、政治、経済、国際情勢、スポーツ、芸能など)や意見や特集などの情報を日刊あるいは週刊などで報じるためのメディアであり、表紙は存在せず(表紙があるものが雑誌じゃ)、題字や記事、写真、図面などが紙に印刷されている印刷物のことじゃ。
新聞輪転機新聞輪転機は、印刷機械の一種で、ロール紙による給紙と回転式の印刷部により、高速かつ大量の新聞の印刷ができるんじゃよ。最新の輪転機じゃと一時間で数十万部の新聞が印刷ができてしまうんじゃ。
CMYKCMYKとは、C=シアン、M=マゼンタ、Y=イエロー、そしてK=キープレート(黒)の4色のインクを用いた色の表現法のことじゃ。RGBが混ぜ合わせるほど明るい色へと変化していく(加法混合・加法混色)のに対して、CMYKは混ぜ合わせるほど暗い色に変化していく(減法混合・減法混色)んじゃよ。
CTPCTPとは、パソコンなどで印刷用につくった紙面のデータを、プレートセッターという機械で刷版に直接焼付けるシステムのことじゃ。Computer To Plateのじゃな。CTPが主流になる前は紙面データを一旦フィルムに焼付け、さらにそのフィルムを刷版に焼付けておったんじゃよ。
地紋地紋とは、新聞の見出しなどの背景となっている地模様のことじゃな。見出しに地紋を入れることで、見出しの存在が際立つんじゃよ。地紋の入った見出しをカット見出しとも呼ぶの。地紋はもともとは和服の生地の織模様からきておるんじゃ。網目や砂目などの模様が新聞では一般的じゃの。
上質紙上質紙とは、表裏ともコーティングされていない非塗工印刷用紙のことじゃ。同じ非塗工用紙である更紙との違いは化学パルプ(砕木を水酸化ナトリウムや硫酸塩・亜硫酸塩などを用いて化学的処理を施すことによってできあがるパルプ)の含有量が多い(上質紙)か少ない(更紙)かなんじゃ。また上質紙は更紙よりも白色度が高く、写真や絵柄の再現性が高いんじゃよ

 

スタッカースタッカーとは、輪転機の出口にあたる折り機から出てきた印刷体を自動で揃えて積み重ねる装置のことじゃ。スタッカーで揃えられた印刷体は主にベルトで梱包機まで運ばれる仕組みとなっておるんじゃ。印刷体が立った状態で揃えられる縦型と、平積みで揃えられる横型がとあり、印刷体の種類や印刷後の後加工に応じて使い分けられておるの。ちなみに縦型は雑誌など印刷後に折り加工を含む製本をする印刷体に適しており、横型は新聞のようにそのまま積み重ねて梱包するものに適しておるんじゃ。
スリッタースリッターとは、輪転機などの印刷機から印刷された印刷体を巻き出す際、印刷体を製品の幅に連続して切断する装置のことじゃ、輪転機のローラーに付いているカッターのことじゃな

 

製本製本とは、印刷が終わった印刷体を折りたたんで糸などで綴じ、表紙をつけたりして本(冊子)のカタチに作り上げる工程のことじゃ。書籍の製本は基本的に、布や革のクロス等しっかりとした表紙と中本を糸やミシンで綴じて製本(丸背または角背)をした『上製本(本製本)』と、厚めの紙の表紙と中本を接着剤などを用いて綴じた製本(角背のみ)をした『並製本(仮製本)』の2パターンにわけられておるの。
責了責了(責任校了)とは、校正を重ねた上で訂正箇所が少なくなった際に、印刷所に責任をもって訂正をさせて校正を終わらせることじゃ。校正が終わった段階で、校了は修正がないのに対して、責了は修正があるので、日本新聞印刷ではしっかりと修正が施されているかを制作と印刷でダブルチェックしておるんじゃよ

 

タブロイド判タブロイド判とは、縦406mm×横272mmの大きさの紙で印刷された新聞サイズのことじゃ。ブランケット判=縦545mm×横406mmの約半分のサイズじゃな。ちなみにタブロイドという名前は『タブレット(固形の錠剤)』から来ておるんじゃよ。
台割り台割りとは、本や冊子などをつくる際に、全体で何ページになって、どのページにどの内容が入るかということを割り振りすることじゃ。本や冊子の設計図をつくる作業のことじゃな。本や冊子をつくる前には必ず『台割表』をつくり、それに基づいて各作業を進めていくんじゃよ。
断裁機断裁機とは、印刷した紙などを突き揃えして積み重ね、製品の寸法に合わせて裁ち切る機械のことじゃ。一本の刃が降りてくる平断裁機一般的じゃが、書籍などは三方断裁機という特殊な断裁機で、天地と小口の三方向を一気に裁ち切っておったりするの

 

中質紙中質紙とは、非塗工印刷用紙の一種で、印刷適正や白色度は上質紙と下級紙(更紙)の間に位置する印刷用紙なんじゃよ。雑誌の本文などに良く利用されておるの。
チョッパー折りチョッパー折りとは、チョッパー(Chopper)と呼ばれる包丁に似た銅版とその下に備わった2本のローラーとで、新聞などの印刷体を二つに折ることじゃ

 

テキストテキストとは、文字だけで構成された文書データのことじゃ。テキストのデータはすべてのワープロソフトで開くことができ、印刷物の制作においてはFAX等で送られてくる文書の様に再度入力をしないで済む(入力ミスがなくて済む)という利点があるの。
凸版印刷凸版印刷とは、インキがつく画線部を突起させ、非画線部をへこませてつくられた版を利用する印刷方法のことじゃ。ハンコや印鑑がまさに凸版印刷じゃ。突起させた画線部がくっきりと印刷されるので、文字が多い印刷物に適しておるの。
DTPDTPとは、レイアウトデザイン(原稿作成)作成、編集、版下作成、製版を全てパソコン上でやってしまう画期的な印刷ワークフローのことじゃ。Desktop Publishing(デスクトップ・パブリッシング)の略称じゃな。DTP普及以前の電算写植時代は文章や写真等を割り付け(レイアウト)した紙面を、印刷会社または専門の版下制作会社に依頼して印画紙にしてからフィルムを作り、それをPS版に焼付けてから印刷をしておったのじゃが、DTPの普及により印刷前までの作業を全てパソコンで完結(パソコンで作成した紙面データをCTPで直接PS版に焼付けて版をつくる)できてしまうようになったんじゃよ

 

トンボトンボとは、印刷物を仕上がりのサイズに断裁するための目印のことじゃな。主に天地左右の中央(センタートンボ)と四隅(コーナートンボ)に付いておるの。コーナートンボには内トンボと外トンボがあり、内トンボは断裁するときの目印で、外トンボは内トンボとの間が色の塗り足しの目安になっておるんじゃよ。見当合わせ(色合わせ)をチェックする目印(主にセンタートンボ)でもあるの。
ドットゲインドットゲインとは、印刷物の色が実際のデータよりも濃く見える現象のことじゃ。オフセット印刷では網点によって色を表現しているわけじゃが、印刷データを刷版からブランケットへ、そしてブランケットから紙へと転写をする際の圧力によってインクが潰され、網点が太くなってしまうんじゃよ。色校正をした時にデータよりも紙面の色が濃く見えたり、暗く見えてしまうのは、このドットゲインが起こっているからなんじゃよ。特に本番の印刷と違う機械で色校正をする場合にはドットゲインに対する注意が必要じゃな

 

ニップ幅ニップ幅とは、印刷機のローラーとローラーの接触圧のことじゃ。ニップ幅が正確でないと色ムラや汚れが発生してしまうんじゃよ。印刷という仕事をすることにおいて、このニップ幅の調整=ローラーの管理と調整が一人でできるようになれば、一人前の印刷職人になったと言ってよいじゃろうな。
乳化印刷における乳化とは、インキと湿し水が混じり合うことで、インキの中に湿し水が分散化される状態のことじゃ。水と油の特性(反発)を利用して印刷をしているオフセット印刷機において、湿し水とインキは絶えず接触しており、特にローラーとローラーの間を、表面に湿し水が付着したインキが通過していくことにより、湿し水が細かく分かれて、インキの中に分散されるんじゃよ。乳化が起こることで、印刷体に満遍なくインキを乗せることができるようになる反面、極度に乳化してしまったインキは色抜けや色ムラの要因となってしまうから注意が必要なんじゃ。
入稿入稿とは、印刷するための原稿を印刷所に入れることじゃ。文章の書かれた紙や写真を印刷所に持っていくことじゃの。ちなみに作成が全て終わった状態の紙面をデータ化したものを入稿する場合は『データ入稿』というんじゃよ。データ入稿の場合は一般的に印刷所では紙面の文字化けや、広告や写真等の位置ズレに関するチェックをしただけで、すぐに印刷に入ってしまうため、データ入稿をする前に作成した紙面データをしっかりとチェックすることが大切じゃ。
入紙入紙とは折った紙(折丁)の中に別刷りした紙(別丁)を差し込む作業のことじゃ。『差し込み』とも言われておる。タブロイドサイズの6頁の新聞の場合は、外側の4頁と中身の2頁を別で印刷して、後工程(手作業)で4頁の中に2頁を差し込んで6頁の新聞にしているんじゃよ

 

ノンブルノンブルとは、ページを表記する番号のことじゃ。本文のみに番号を振ることが一般的じゃが、扉や奥付にも番号を振る場合もあるの。通常は紙面の端にページ番号を付けるのじゃが、製本における断裁時に切り落とされないようにレイアウトすることが大切じゃな。ちなみに語源はフランス語のnombreから来ておるの

 

版下版下とは、印刷用の版をつくるために必要な完成された原稿のことじゃ。CTP以前は紙面が組みあがったら版下(印画紙)を出力して、それを印刷用フィルムに焼付け、さらにそのフィルムをPS版に焼付けて刷版をつくっていたんじゃよ

 

PDFPDFとは、印刷イメージと同じ状態でパソコンの画面上に表示できるデータ(ファイル形式)のことじゃ。どんなパソコンでも同じ状態で表示できたり、元のデータとは違い簡単には編集できないので、間違って文章や写真を消してしまったりということが起こりにくいんじゃよ。ちなみにPDFはPortable Document Formatの略でアドビシステムズ社が開発したんじゃ。