経営理念
私たちの理念
A rolling stone gathers no moss.
(転石苔を生ぜず)
私たち日本新聞印刷は、東京の港区芝浦にある、とても小さな印刷会社です。しかし、そこには長年の経験と、日々の努力による確かな技術が存在します。
私たちは私たちの技術力を基に、みなさまの持っているたくさんの伝えたい想いをカタチにしたい、そして社会に貢献したいと考えております。創業65年。日本新聞印刷は新聞印刷を軸に、お客様のどのようなニーズにも対応できる印刷会社として、これからも転がり続けていきます。
私たちが紙文化を守ります!
私たち日本新聞印刷は改めて考えました。私たちがやっている仕事のことを。私たちができることとは一体何なのか。導き出した答え。それは
「新聞を通じて みなさまの想いを 世の中に伝える」
ことです。僭越ながら、まずは私たち日本新聞印刷の想いを皆様に伝えさせてください。私たちの伝えたい想い、それは「紙文化の重要性」です。
教科書やノート、メモ帳に付箋、コピー用紙などなど、今でもまだまだたくさんの紙を、老若男女問わず多くの人が利用しています。昔から今に至るまで、紙は人々の生活になくてはならない存在なのです。メールやSNSは本当に便利なものであると思います。
でも、本当に自分の想っていることを伝えたいとき、メールやSNSで伝えるよりも、紙に書いてその想いを伝えた方が、より一層相手の心に伝わるのではないでしょうか。
人々のコミュニケーションを深める力が、
そして人々の想いを伝えられる力が
紙には備わっているのだと私たち日本新聞印刷は本気で思っています。
日本新聞印刷
この度なんと、私たち日本新聞印刷と近い考えを持ってくださっているのでは、と思われる2つの会社に出会うことができました。
これから紹介させていただく『まるみず組』と『工房レストア』です。
まるみず組
私たちが普段何気なく読んでいる本。実はその本の作成過程において「製本」という工程が存在していることをご存じでしょうか。東京は板橋区にあるおしゃれ工房「まるみず組」は製本のプロフェッショナルです。製本の歴史は15世紀半ば頃から、書物の保存や所有者の個性を強調するためのものとしてヨーロッパを中心に発展をしていきました。長く職人の手により行われた「手製本」が主流でしたが、近年は機械化が進み、手製本は趣味の一つとしても楽しまれるようになっています。製本の手法は多岐にわたり、手製本となるとその経験と技術の習得は不可欠です。まるみず組さんはそんな「手製本」に特化されている製本屋さんです。手製本。それは職人が手間と時間を惜しまずに、丁寧に丹精込めて仕上げていく究極の製本技術。まるみず組の代表で創業者の井上さんからお話を伺ったのですが、私たちからしたら無理難題とも思える顧客からの要求に対しても常に精一杯全力で応え、さらに要求された以上のものを、逆に顧客へと提案するなど、その製本に対する熱意と企業努力により、数多の優れた作品を世に送り出しているとのことでした。
まるみず組
「本とは機能があり、用途があり、保存を第一に。
そしてそれを受け取る人がいることも含めて考える必要があります。
そのために素材の特性を追求することは勿論、
使いやすく、愛されるための製本を心がけています。」
井上さんの手製本に対する想い。それは手製本で作り手と受け手双方の想いをカタチにすること。また、まるみず組さんでは手製本というものを2000年から本格的に広める活動をされていて、工房では一般の生徒さんたちを相手に手製本のレッスンもされています。まるみず組さんはその卓越した技術を惜しげもなく世の中に伝え広め、これまでに百数十人の生徒さんたちが技術を習得し、中にはそれを生業として確立した生徒さんも存在します。私たちも工房へお邪魔したことがあるのですが、その際にいた生徒さん達がすごく楽しそうにレッスンを受けていらっしゃったことがとても印象的でした。
「日本の古くからある素晴らしい道具や技術、感性、文化を発信し続ける工房にしていきたい。」
まるみず組さんは手製本という新しいカタチで今日も日本の紙文化を支えてくれています。
工房レストア
大阪は大正区の工業地帯の一角に、どんな紙でも修復してくれるとても素敵な工房があります。
その名も「工房レストア」。私たち日本新聞印刷はまるみず組の井上さんからのご紹介で、工房レストアさんを訪れる機会をもちました。紙の修復がどの様なものなのか、実際に工房に行くまで私たちには正直見当もつきませんでした。そしていざ現地で社長の平田さんとお会いし、その修復技術の高さを目の当たりにして私たちは愕然としました。とても緻密で繊細な技術力、紙や革の素材の特性を知り尽くしたうえで修復に必要なことを判断し、補修、修復をこなしていくその姿は、まさに紙のお医者さん。ホームページには「町医者的存在でありたい」と書かれていましたが、平田社長のやっていらっしゃることは「一流の外科医」と言っても大げさではないと思います。私たちは平田社長のお人柄や経営理念にも心を打たれました。平田社長は紙(資料)そのものにスポットライトをあて、そこには歴史的価値や金銭的価値という尺度では測れない、その資料に対する人々の「想い」が存在するとおっしゃられておりました。工房レストアさんでは博物館に展示されている歴史的な重要文化財から、個人宅で眠っている古い地域資料まで様々なタイプの紙や革の修復を行っています。
工房レストア
「どんな資料でも分け隔てなく熱意をもって向き合い、
その資料の作者や作成に携わったすべての人々へ、
その資料から受け継がれた歴史や文化へ、
その資料一つ一つに宿る特別な想いへ
敬意と感謝を込めて修復を仕上げる。
修復され命を吹き返した資料が、また次の世代へ歴史や文化をつないでいく。
紙に書かれたいかなる書物や絵、資料には様々な人の感情が詰まっていて、それらに宿る想いに軽重はない。」
平田社長の想いを知れば知るほど、平田社長がもつ修復の仕事に対する深い愛情を私たちは強く感じさせられました。そして私たちにとても身近な新聞の修復もされているとのことで、古くボロボロになってしまった新聞を懇切丁寧に修復されておりました。さらに工房レストアさんは地域コミュニティと連携してワークショップ活動も行っており、ワークショップを通じて資料に込められた思いを発掘し、たくさんの人々と地域(郷土)資料を結びつける役割を担っています。
「修復を通じて人と人とのより良い心のつながりを生み出し、その先にある国や世界を良くしていきたい。」
工房レストアさんが伝えたい想いはこれからの未来へとつながっていきます。