ぴろしです。
土曜日は台風が来る前に『IGAS2018』という展示会へ行ってまいりました。
場所は有明のビッグサイトで、
午前11時頃に到着したのですが、
予報ではもうすぐ台風が来るというのに、駐車場は車でいっぱいでした。
会場に入るとやはりたくさんの人が。
さて、IGASって一体どんな展示会であるかというと、
ホームページからの抜粋になるのですが、
プリプレス、プリメディア、印刷、製本、紙工、ラベル、パッケージング、クロスメディア関連の最新機材・技術・サービスを一堂に会した国際総合印刷テクノロジー&ソリューション展である。最新技術や様々なソリューションを提案するとともに印刷産業の未来を展望できる場とする。また、ビジネス・人材の国際交流を図り、印刷産業および関連産業の活性化と興隆に貢献する。
という趣旨でして、
要するに世界中の最新の印刷技術がこのIGASで見ることができてしまうんです。
ちなみに私たち日本新聞印刷は何十年も前の印刷機を用いて日々の印刷業務に取り組んでいるもので、
会場にあった新しい印刷機たちをみると、その進化に愕然とさせられます。
印刷業界にもITソリューションが着実に根付いているなと感じさせられました。
そして今回、最も印象深かったのは、
「紙、復活」をテーマに掲げていた会社のブースでした。
そこで私はデジタル印刷の最高峰を目の当たりにした気がしました。
その会社のデジタル印刷機は、使用できる紙の大きさから印刷品質さらには印刷速度に至まで全てにおいて、
私がこれまで目にしてきたデジタル印刷機の性能を凌駕しておりました。
MCの方の説明も熱意がこもっていて、しばらく聞き入ってしまいました。
「我が社にも1台欲しい!買っちゃおうかな!?」
と思いましたが、
その場に日本新聞の偉い人(野村部長?)がいなかったため、
渋々導入を見送ることにしました。
とにかく、私たちのいる印刷業界は今、大きな転換期を迎えていると私は思います。
印刷機のデジタル化やIT化で印刷がより便利になっていく一方で、
印刷会社はその専門性と優位性を失いつつあり、
印刷という仕事においては主役が“人”から“機械”に変わりゆく運命なのかもしれません。
確かにこのインターネット社会では、最新の印刷機があって、それを操れるオペレーターさえいれば印刷会社が成り立ちます。
そしてそれは私たち“印刷職人”の仕事の必要性がなくなってしまうことを意味しています。
幸い日本新聞印刷は新聞印刷に特化しており、新聞の性質上、デジタル印刷機を用いた印刷では不都合な点が多いため、
現段階で、印刷機のデジタル化によるダメージはほとんどありません。
日本新聞印刷にある輪転機は先にも述べた通り、何十年も前に製造された印刷機であり、
日々大事に掃除やメンテナンスを行いながら、今日までの新聞の印刷に対応してまいりました。輪転機に紙を掛けたり、インクを補充したりする印刷準備から、色合わせや見当合わせ、紙の位置合わせ、
紙取りから梱包にいたるまで、ほとんどが人の手を使った作業となっております。
私たち日本新聞印刷は最新機械に負けない印刷物を、自分達の手でつくりあげることができる自信があります。
しかし近い将来、新聞印刷においてもデジタル印刷機を用いて印刷をする時代がやってくる可能性は大いにあるでしょう。
僭越ながら日本新聞印刷の印刷部部長という大変重要なポストを担っている私は、
これからの会社の未来を考えていかなければならない立場にいます。
そして日本新聞印刷では、
“職人が主役であり続けること”こそが
今後の鍵となってくるのではないかと私は考えております。
決して、私が職人だからというバイアスをかけているわけではありません。
私たちの持っている“技術力=人の手による印刷技術”を、新しい社会に組み込んで認めてもらう。
それを社員ひとりひとりが理解し、考えて行動することで、
日本新聞印刷はさらに飛躍できるはずです。
今回のIGAS2018の見学は、
日本新聞印刷の一職人として、
印刷技術のブラッシュアップするためのいいきっかけとなりました。
これからも一生懸命新聞印刷の仕事に取り組み、
私の持っている技術を新しい人たちに継承し、
日本新聞印刷の明るい未来を、
社員のみんなと一緒に築いていきたいと思っております。
★Dr.ピロシが教える今週の印刷用語★
今週の印刷用語は・・・『誤植』じゃ。
誤植とは印刷物の文字の誤りのことじゃ。昔は活字の不良などが主な原因じゃったが、最近はコンピューターによる文字化けなどが原因としてあげられておる。日本新聞印刷では紙面に誤植がないか制作と印刷の段階で確認を行っておるぞ。